4kビデオカメラFDR-AX100と4KウェアラブルカメラHX-A500

4Kという言葉が使われるようになって大分経つが、その意味をもう一度考えてみた。専門的に4Kといえば、「DCI 4K」か「4K UHDTV」かのどちらかになる。前者は「Digital Cinema Initiatives」という団体の規格だ。この団体とは映画製作会社などが加盟しているものだ。後者は、「International Telecommunication Union」による規格で、国際電気通信連合によるものだ。DCI4Kはおよそ17:9のアスペクト比で、4096×2160ピクセル、8847360画素数になる。4KUHDTVは、16:9のアスペクト比で、3840×2160ピクセル、8294400画素数となる。現状だとDCI4Kが映画などで使われており、4KUHDTVがTV放送で使われているということになる。こう説明すると団体や連合によって4Kの定義が異なり、あやふや過ぎると言わざるを得ない。しかし、これらをまとめて簡単に言えば、4Kとは横4000×縦2000前後の解像度を展開できる映像のことを言うのだろう。また、フルハイビジョン(およそ207万画素)の約四倍にあたる829万画素となる。これが4Kの定義として普及しているように思われる。

ところで4Kビデオカメラといえば、SONYのFDR-AX100が知られている。最近ではFDR-AXP35やAX30が同社の4Kハンディカムとして仲間入りし、ラインナップされている。これらは軽くなった分、一部を除いて全体としてAX100よりスペックも低くなっているようだ。しかし、AXP35ではプロジェクタが追加され、200インチの大画面で投影可能な機能が搭載されている。細かく調べれば新たな機能や部品の追加或いは交換といった形で、機能向上を達成している部分もあるだろう。

それはさておき、FDR-AX100を始めて手に持った時のことを今でも思い出す。重量感を感じたものの、その性能を考えるとコンパクトなハンディカムと思ったものだ。小型化するため、隙間を無駄なく使い、色々工夫されているもよう。筆者は今まで何度かビデオカメラを変えてきた経緯がある。時代と共に高性能で且つ軽いものを選んでいったのだが、AX100に関しては重量だけ逆行した形になってしまった。しかしその機能はすばらしく高性能で、画質は言うまでも無く、今まで使ってきたビデオカメラとは比較にならないほど綺麗だった。まさに写真が動いているという表現がピッタリだろう。

ところで、ウェアラブルカメラとうものをご存じだろうか。これは自分の体や自転車などに装着し、ハンズフリーで撮影するためのカメラだ。自分が何かを作っているシーン、何かをやっているシーン、そんな様々なシーンを通常のビデオカメラのように構えて撮影する必要がないという、小型のカメラだ。耳にひっかけるタイプで当時は動きながら容易に撮影ができるということで画期的に感じた。

そしてその後継製品とも言えるHX-A500が世に出ることになる。実際に使ってみるとHX-A500は耳に引っ掛けるというより、耳の上で頭を挟むといった感じのウェアラブルカメラになっていた。前作のHX-A100は耳に引っ掛けるタイプだったので、装着時に若干不快感があった。しかしHX-A500はその不快感が少なからず改善されたように筆者は思う。とりあえず撮影した動画も確認してみた。HX-A100に比べるとかなりの差がある。HX-A100は映った物の輪郭が滲んでいるような感じになっていたからだ。当時は小型という理由で納得していたし、こんなものだろうと思っていた。しかしHX-A500はやはり4K。撮影したビデオを鑑賞していると、プレーヤーの枠を狭めるほど4K特有のきめ細かな映りが見て分かる。

もちろん、小型でウェアラブルである以上、ハイスペックな4Kビデオカメラとその画質を比較してもあまり意味がない。そもそもウェアラブルは激しい動きにも耐えられるよう小型化した上に余分な部品を極力取り除いて設計されている。そのため、ズームなどの機能も基本的にない。また撮影のチャンスを逃さないために広角などの工夫がされている。人によっては見にくいと感じるかも知れない。ただ、この手の小型カメラでは装着のし易さもさることながら、4Kゆえ画質もよく、装着した時の見た目もとてもスマートだ。