wordpressのバックアップ方法

wordpressでバックアップするには幾つか方法があります。一つは、wordpressの管理画面からツールのインポートとエクスポートを使うというやりかた。二つ目はプラグインを用いてのバックアップ。三つめはphpAdminからバックアップするといった方法です。あと、レンタルサーバが提供しているシステムを活用するというやりかたもあります。二つ目以外は、長所、短所、メリット、デメリットがありますので、ご自身の環境に合わせて最適なものを選ぶようにしましょう。

wordpress本体は?

wordpress本体をバックアップする必要はありません。本家にいけばいつでもダウンロードできますので。また、最近のレンタルサーバでは簡単にコピーできる仕組みを導入しているところもあるため、そういったレンタルサーバだとそもそもwordpress本体のバックアップは不要です。以前はそういったシステムがなかったため、新しくドメインを取得してインストールするのに一々wordpressの本家サイトより直接ダウンロードしていましたが、便利になったものです。この方法でコピーするとネット回線を使わずサーバ内で完結するため、すぐに終了します。

記録があるすべてのリリースのアーカイブ

wordpressの管理画面

wordpressの管理画面上にあるツールよりエクスポートしてバックアップをとります。最も簡単なやりかたですが、記事、固定ページ、カテゴリーといった限られたデータしか取り出せません。また、データベース内には追記という形で記録されるため、インポート先のブログで既に記事があれば、使われているID番号へ上乗せされます。つまり、もともと使われていたデータベースの「wp_posts」のID番号が変わるため、パーマリンクでIDを用いて数字形式のスラッグとしている場合は、URLそのものも変わってしまう可能性があります。URLが変わると検索エンジンは新しいページとして認識するため、301リダイレクトなどを用いて煩わしい設定をしなければなりません。ただ、インポート先に記事がなければスラッグもそのまま適用されると思います。

このツールはもともとwordpressの標準では搭載されていなかったように記憶しており、かつてはそれ用のプラグインをインストールし、利用していました。基本的にはバックアップというより、BloggerやMovable Typeといった他のCMSからwordpressへ移行するためのツールだとおもいます。

そのほか、このツールではwordpress本体の設定はバックアップされません。例えば、投稿や表示設定、ディスカッション、どのテンプレートを有効化しているかといったデータです。インポート先では再設定が必要となります。

wordpressのプラグイン

wordpressのプラグインを利用してバックアップをとります。おすすめは「WP-DBManager」というwordpress用のプラグイン。これを利用すると管理画面にDatabaseという項目が追加され、サーバ内に直接バックアップをとったり、メールで自分のアドレスへSQLファイルを転送したりできます。これらは時間指定できる他、手動で好きな時にブラウザを利用し、ダウンロードすることも出来ます。wordpressの管理画面上に現れる「WP-DBManager」のフォームへ直接SQL文を入力し、実行することも可能。また、MYSQLにどういったテーブルがあるのか、バージョンやデータベース名、ユーザIDなども分かります。他にも修復や最適化が可能で、オーバヘッドも処理できます。更にこれらを実行するために時間指定ができます。

「WP-DBManager」は自動実行するため、一度設定すれば再び設定することはほとんどありません。指定した日時に自動的にメールで受信されるため、バックアップに関してはとても安心できます。また、初期状態でもともとあるデータを削除してから入れなおすため、インポート時にID番号が変更されることもありません。wordpressのマルチサイトにも対応しており、親サイトで有効化しておくと、子サイトの分もまとめてバックアップしてくれます。

そのほか、「WP-DBManager」では、wordpress本体の設定もバックアップします。そのため、データベースがなくなっても復元すれば完全に元の状態に戻ります。

WP-DBManager

phpAdmin

wordpressのMYSQLを操作できるphpAdminというウェブアプリケーションを使ってバックアップをとる方法です。ログインしたらデータベース名、エクスポートと順にクリックしていきます。エクスポートのタブを開くと、「簡易」「詳細」という項目のラジオボタンがあり、全てをバックアップする場合は、「詳細」からすべてを選択します。その際、「CREATE TABLE コマンドを追加する」にチェックを入れていると復元時にエラーがでるかもしれませんので、チェックを外します。また、「挿入前にテーブルを空にする 」へチェックを入れると、「wp_posts」のID番号への数字の上乗せを防げます。

ただし、phpAdminは便利なアプリケーションではあるものの、誤って「削除」をクリックしてしまうと、もう戻せません。バックアップするために触っているのにバックアップできな状態にしてしまうのは、本末転倒としかいいようがありません。そのため、常日頃からワードプレスに関わるデータをきちんと保存しておきましょう。

phpAdminはBASIC認証などで非公開にしたワードプレスのテストサイトでつかうと便利でしょうか。メインサイトとはドメインが異なりますが、そこはテキストエディタをつかって一括変換で対応します。phpAdminは取り出したい情報を細かくできますので、小回りが利くのですよ。非公開のテストサイトで色々検証しながら、メインサイトへ移植といったことが簡単にできます。ちなみに記事への内部リンクはhttpからはじまる絶対パスではなく、スラッシュからはじまる階層指定の相対パスで指定したほうがあとあと面倒な処理を加えなくて済みます。

レンタルサーバ

ワードプレスのデータが壊れたり喪失したりすることはほとんどありません。まれにレンタルサーバのミスによって無くなることもありますが、これも滅多に発生しません。しかし、この滅多に起こらないことが発生してしまうと、ワードプレスを元に戻すことができなくなってしまいます。最近では、レンタルサーバでも簡単にデータベースを保存するシステムを提供しているため、それを利用するのも良いと思います。ただ、一々ログインしてダウンロードしなければならないため、煩わしいのは間違いありません。時間もかかりますし、これを定期的に続けられる人は少ないでしょう。やはり、自動化できるものは自動化したほうが簡単ですね。

まとめ

ワープレの様々な情報を保存する方法は上記のとおりです。ただし、自分で改造したり作成したものは上記の方法だと保存できません。例えばテーマのテンプレートなど。プラグインもそうですが、FTPなどで個別にダウンロードしておく必要があります。ワープレのphpファイルを弄繰り回す人にとっては、多分当たり前のことでしょうけれども。

ワープレをある程度つかいこなしだすと、MYSQLを直接触りだす機会も増えます。誤って削除や変更してもワープレをすぐ元に戻せるよう、「WP-DBManager」などで日ごろから自動化で対策しておくと不測の事態に備えることができます。